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当社の製品は「必要最小限に切りつめることにより、よい音を引きだす」というコンセプトを基に設計しております。
この「必要最小限」とは文字通り、これ以下では物理的に無理が生じるというギリギリのラインを保っていることを意味します。電源トランスで言うとこれ以上減らすと容量不足のためにトランスの発熱を伴う、コンデンサー容量ならばリップルノイズが音に混ざり出すその直前、音質に問題が起きず、安全なところに留めています。
これはつまり、それぞれの部分に最大限の仕事をさせているということです。
たとえば会社にしろ、チームにしろ、組織が大きくなればそれだけ大きな仕事ができそうなものですが、実際には高い効率で仕事をしている人としていない人が出てきます。つまりはシステムとして無駄が増えることになってしまいます。
物理的に余裕がある方が良い音がする、といった考え方はオーディオブーム時代にありました。
わが国のオーディオ界では、より大きく重ければ良い音であるという、「巨体信仰」がはびこりました。分厚いフロントパネルに立派なサイドウッド。それらに囲まれたボンネットの中には大きくて重いトランスと大容量コンデンサーが鎮座ましましていました。
私はあの「巨体信仰」主義こそがオーディオブームを終焉に追い込んだ張本人ではないかと、個人的に思っているのです。物量にコストをかけすぎたために、肝心な音質向上の方にコストをかけられず、オーディオファンの心が離れていってしまったのではないかと。
皆さんも、『音を聴くまでもない!前モデルよりもこれだけ物量を投入したのだから、良いに決まっている!』といった業界の意識を感じたことがあるのではないでしょうか。
私も自作オーディオ制作に熱中していた頃、当然B級アンプよりはA級アンプを作ることを目指しましたし、パラプッシュよりトリプルプッシュ、10000μFよりは22000μF、47000μFという風に突き進んでいました。が、そのことは音質の向上にはあまり関係がなかったのではないかと今では思っています。
大容量化=高音質化であるのなら、大きくしさえすれば音はよくなるという論理になります。それならば、「良い」オーディオを判定するには音を聴かずとも重量を計ればよい??・・・などと言えば言いすぎですが、実際にはそういった大がかりな機器は細かな音が出ず、微妙なニュアンスを出すのも不得手なものが多かったように思います。
トランスは浮遊容量が増えますし、大容量コンデンサーは概してESRは下りますが、ESL値は上がってきます。出力トランジスターもバラつきが増えて安定度が下がってきます。
あれこれ手を広げすぎてかえって輪郭がぼやけてしまった感じがするのです。
いかにしてより音楽的に楽しめる音をだそうかとあれこれ試してみた私は、大容量化して余裕を持たせるよりも、逆に少なめの状況の方が音質を向上させることに気付きました。
たとえば、コンデンサー容量が少なくて済むのであれば、電解コンデンサーではなくフィルムコンデンサーが使えます。必要最小限のパーツで組んでゆくと機器は小型化し、小さくコンパクトにまとめることで色々な干渉を減らすことができます。そうすると各部のシールドが必要となってきますが、うまく組むことでシャーシがフレーム相当の強度を持ち、かつシールドも兼ねるケーシングにすることができます。電圧も、下げることで良い音を保ちながら回路の長寿化を実現できました。こうした技術や工夫を反映させて出来あがったのがMODEL1aを含む当社製品です。
皆さんも一度、構成部品全てがそれぞれ100%の力を出しきっている音を聴いてみませんか? |