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コラム:MODEL1について

 まずはじめに、ほとんど耳にした事のないような超高級機をはじめとして、数多くのアンプがオーディオの世界には存在します。
ある意味それらの大半は奏でる音楽よりも個性的な音質を売りにしています。
またその音質を良しとする人たちによりブランドが築かれ、さらにそのブランドを手に入れたいだけの人たちに支持されている現状からもっと音楽が聴こえ、音楽の楽しさが心を豊かにしてくれるアンプを提案して行こうとの思いから、最初に作られたアンプです。
そんな思いに突き動かされるように辿りついた回路と、数多くのアンプに共通して見受けられるシャシーの前に分厚いフロントパネルを取り付けさらにそのシャシーの上にボンネットを被せた、いわゆる高級アンプのスタイルの検証から外装デザインを考えました。

 その真空管回路は長年あたため何度も試作を行ってきた回路を搭載する事に決めていました。
いまではTALTとネーミングしていますこの回路はSRPP初段にSEPPに似た回路を直結した出力段で構成されています。
ユニティゲインでも発振しない非常に安定したこの回路は低い出力インピーダンスと躍動感に満ちた表現を身上とします。
いまでは「MODEL 1」のみならず、プリアンプ MODEL 1a及び MODEL 1b それらのクオリィファイドモデルのMODEL 11にそれぞれで最上のパフォーマンスを発揮出来るようにチューニングされて搭載されています。
フォノイコライザーMODEL 14 ではこのTALT回路の前にSRPP段を配して所定のゲインを確保した上で低いRIAA偏差を実現しています。
D/AコンバーターMODEL 15 では出力回路にユニティゲインのバッファーアンプとして搭載されています。
パワーアンプMODEL12 MODEL 2 MODEL 3 ではTALT出力段を電力増幅管EL 34として組み込まれています。

 オーディオアンプが設置される場所により、持っている音質が左右されるのは避けようのない事実です。
では筐体自身の構造や材質はどうあるべきでしょう。
また高温を発生する真空管はどう配置すべきでしょうか?
現在市販されている機器のほとんどが不自然で、造りやすさ優先で音質や真空管のライフは二番手、三番手にされているのではないのでしょうか?

 我々は真空管のライフが一番大事だと考えます。どのように最高の音質を持っているアンプをたとえ作りあげたとしても素子である真空管のライフが極端に短いようなら、そういう設計を採らないということです。
その上に立って音楽を再生するに当たって最高の表現力をいかに獲得するのかが問われていると考えます。

 真空管の冷却を第一次的に考え上に記したMODEL群はすべて真空管を横配置としています。
筐体中央部に筒状の空間を配し、そのチムニー部に真空管を横置きしています。
「MODEL 1」 ではチムニー部を形成するインナーフレームが、入力リレー部とアンプ部、電源部、リモートコントロール部と電源トランスのそれぞれの区画をシールドするように設計されています。
このシールド構造により試作段階の音質をはるかに凌駕する音質を結果的に手に入れました。

 また、このインナーフレームは40mmのアルミ引き抜き材からキャスター部とポール部が一体で削りだされたコーナー材に外装パネルである6mm厚のアルミアングル引き抜き材と共に強固にステンレスねじで固定されています。
このコーナー部から45度の角度で接合するアルミアングルの工作精度は一部の少しの誤差が全体が組まれたときに大きな誤差となり組み始めのコーナー部に帰ってきます。
まさにフライス加工屋泣かせの設計だと責められました。
しかしこの「MODEL 1」 の音質はこの筐体構造あっての音質であることがこの後に続くMODEL 1a の完成後明らかになって行きました。
またこの複雑な構造はアンプ基板設計があってこそ可能な設計だとも言えます。

 「MODEL 1」 での基板設計は、ガラスエポキシ両面スルーホール基板を活用して、アースポイントの厳密化をその設計思想としています。
アンプ各段のアースポイントを的確に押えきることで真空管=ぼんやりした音から解き放たれたといえます。
巷ではプリント基板を使ったアンプの音質は...などと言われますが、昔ながらの手配線パタンをプリント基板に移した物と我々の採った手法は根源的に異なる物です。
手配線の母線アース引き回し組み立て回路は、アースを放射状に組む事の出来ない工法のため確かに今まで培われた真空管アンプのイメージを再現するには良い回路と言えます。
音楽ソフトから音楽を聴くのか、真空管の音に満足するのかと言うアプローチの違いがそこにあります。


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